年を取ってから生活費や医療費などを賄うためのお金が不足し、生活が困難になることを老後破産と言います。
老後2000万問題が脚光を浴びてから年月が経ったので、「老後のためにお金を貯めておかないと!」と思っている人も多いかもしれませんね。
「老後が不安…」という人もいらっしゃるかも?
でも心配しなくても大丈夫!
実は少しの工夫でその不安を軽減することができます。
今回は老後破産の実態と、老後破産を防いでお金の心配を減らすかんたんなステップについてシェアしたいと思います。
老後破産の実態
多くの人が老後破産におちいるのは、年金や貯金が足りなくなるためです。
老後の生活費や医療費の出費がかさむ中、収入が少なくなると、支出が収入を上回ってしまい、借金をしてしまうこともあります。
まず最初に老後破産の実態を見ていきましょう。
高齢者の16人に1人が老後破産
実は「高齢者の16人に1人が老後破産の状態」と言われています。
さらに「独居老人に限れば、およそ3人に1人が老後破産」とのこと。
ちなみに、「高齢者の16人に1人が老後破産の状態」というのは、明治学院大教授の河合克義さんの2014年の調査報告による推計のようです。
河合克義明治学院大教授が語る。
「私たちが実施した東京都港区と山形県における調査では、生活保護基準よりも低年収である高齢世帯の割合がどちらも56%と、高齢世帯のほぼ半数にのぼることがわかっています。現在、一人暮らしの高齢世帯はおよそ600万人。推定で300万人が低年収世帯と言ってよいでしょう」
そこから、生活保護を受給している高齢世帯を差し引いた、200万以上もの人々が老後破産の状態にあると推定される。日本全国で65歳以上の高齢者の数は3200万人。およそ16人に1人が老後破産の状態にあり、独居高齢者に限れば3人に1人にも上る。
https://gendai.media/articles/-/40603?page=2
老後破産は身近にある問題で、だれにでも起こる可能性のあるおそろしい危機ということになります。
老後破産の原因
老後破産はなぜ起きるのでしょうか?
老後破産の原因にはおもに下記の5つがあげられます。
老後破産の原因
1.老後に備える貯蓄が不十分
2.年金が予想より少なかった
3.医療費の増加
4.生活費の上昇
5.予期せぬ出費
順番にくわしく見ていきましょう。
老後に備える貯蓄が不十分
老後破産の原因としては、まず老後に備える貯蓄が不十分だったということが考えれます。
これを防ぐためには、老後必要になる費用をあらかじめしっかり見積もっておくことが肝心です。
年金が予想より少なかった
年金が予想より少なく、資産がもたない場合、老後生活に不安が広がり、経済的にも精神的に追い詰められることがあります。
年金額を見積もるときは少なめに見積もっておかないと老後破産の原因になってしまいます。
医療費の増加
高齢になると健康にかかるお金が増えることほとんどで、それが負担になり老後破産につながることもあります。
生活費の上昇
物価の上昇(インフレ)や生活費の増加が、家計を圧迫することはよくあります。
老後は、現役時代より生活費が少なくなるといわれていますが、現役時代と同等か現役時代よりも多くかかってしまう場合もあり、生活費の不足が原因で老後破産にいたるケースもあります。
予期せぬ出費
家の緊急修理発生・災害に遭うなど、予期せぬ出費は必ずあります。
予期していない思わぬ出費が多額になると老後破産になってしまうこともありますので注意が必要です。
老後破産を防ぐためにできることは?
以上みてきたように、老後破産の原因は、将来のお金の準備が不十分だったり、余計な出費がかさんだりすることです。
老後破産を防いでお金の心配を減らし、安心な老後生活を送るためにできることはないのでしょうか?
老後のお金の心配を減らすかんたんなステップ
老後破産を防ぐための対策法はちゃんとあります。
その方法は以下の7つのステップになっています。
大変そうに見えますが、やってみるととても簡単なのでぜひ取り組んでみてくださいね。
老後のお金の心配を減らすかんたんなステップ
1.家計の見直し
2.年金について知る
3.予算を立てる
4.貯蓄目標額を設定する
5.少しずつでも貯金する
6.投資を検討してみる
7.健康を大切にする
それでは次から老後のお金の心配を減らすかんたんなステップを見ていき、一緒に対策していきましょう!
家計の見直し
生活コスト(=生活費)が高いと老後破産へまっしぐらです。
一度あげてしまった生活水準を下げるのはかなり大変ですから、老後になってから家計を見直して家計のスリム化をはかるのは相当苦労します。
なので早いうちから意識して家計のスリム化をはかっておくことが重要。
毎月の支出を振り返り、無駄な出費を省く工夫をしましょう。
必要のないものを買わず、節約できるところは節約することが大切です。
無駄な出費を減らすことで、貯金が増え、老後の生活資金にも余裕ができます。
家計のスリム化のためには住居を見直すことも一つの方法です。
やたら広かったり余計な維持費のかかる家から引っ越しするなど、老後の生活スタイルに合った住まいへの住み替えを検討するのもいいでしょう。
年金について知る
「思っていたより年金が少ない…」という事態を防ぐためにねんきんネットなどを利用してなるべく正確に年金額を把握しておくことも重要です。
予算を立てる
収入と支出を整理して、収入と支出のバランスを考えた予算を考えていきましょう。
毎年どれくらいの収入があって、毎年どれくらいの支出があるのかを把握し、もう少しお金を貯めるためには支出をどれくらいにコントロールすべきか目標を設定します。
貯蓄目標額を設定する
収入・支出を把握し予算が立てられたら、次に老後に必要な費用を見積もり、今後の貯蓄目標額を設定します。
なお、老後に必要な費用は個々の生活スタイルや健康状態などによって異なりますが、一般的には下記の項目があげられます。
老後必要になる費用
1.生活費
食費、光熱費、通信費などの基本的な生活費が含まれます
2.住居費
住居費には持ち家のメンテナンス費用や賃貸の賃料などがあります
3.医療費
健康保険や医療サービスの利用にかかる費用
老後には健康状態が不安定になることがあり、それに伴う医療費がかかる可能性が高いです
4.介護費用
老後には介護が必要になることがあります
介護施設や介護サービスを利用する際の費用が含まれます
5.趣味や娯楽
老後も自分の趣味や娯楽活動を楽しむための費用がかかります
余暇を有意義に過ごすために娯楽に投資することも考えられます
6.税金
年金やその他の収入に対する税金も考慮する必要があります
7.予期せぬ出費
冠婚葬祭費用、家の定期的なメンテナンス外の修理費用、災害などに備えるための非常時の費用も考慮しなければいけません
老後にかかる費用を見積もるとき注意してほしいのは、どの項目も少し多めにかかると予測しておいた方がベターだということです。
費用を見積もったら、それらをもとに老後の資金計画を立て貯蓄目標額を設定します。
なお、老後の資金計画は個人のライフスタイルや希望する生活によって異なります。
どんな老後を送りたいのかよく考えて理想の老後生活が実現できるように目標を設定することをオススメします。
貯蓄が不十分だと老後破産への道を歩んでしまいますから、ある程度多めの貯蓄目標を設定するといいですね。
少しずつでも貯金する
貯蓄目標が設定できたら、いよいよ貯蓄の開始です。
少額でもいいので、毎月お金を貯金する習慣を身につけましょう。
小さな積み立てが将来の大きな安心につながりますよ。
投資を検討してみる
銀行に預けているだけではお金が増えにくいため、長期的な視点で資産を増やすべく投資を検討してみましょう。
ただし、まずは投資を学ぶことからはじめ、リスクを理解し、自分に合った投資先を選んだうえで少額からスタートするといいでしょう。
健康を大切にする
健康を維持することは、老後の医療費を抑えるうえで重要です。
定期的な健康診断や予防接種を受け、将来の医療費の軽減を図りましょう。
適切な運動、バランスの良い食事なども効果的です。
お金を貯めることでストレスが軽減され、心身ともに健康になることで医療費が削減でき、医療費が得減ることでさらにお金が貯まる、という好循環を作っていきましょう!
今からすぐに行動して対策していこう!
老後破産を防ぐためには、今から少しずつでも行動を起こすことが重要です。
無理な借金や無駄な支出を避け、節約や賢いお金の使い方を心がけることは、老後の生活を安定させるために役立ちます。
また、早い段階から資産形成や投資などを考え計画的に資産を築いていくことは、安心・快適な老後を過ごためにおおいに役立ってくれます。
健康管理に気を配ることも忘れてはいけません。
専門家のアドバイスや老後のライフプランニングに役立つツールを利用することもオススメです。
少しずつでもできることから始めて、安心して過ごせる老後を迎えましょう。
将来の不安を少しでも軽減するために、今からすぐに行動を起こすことが大切ですよ~!
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