老後2000万円問題が取りざたされてから久しいですが、今や老後資金が足りないのでは?という心配は多くの人が持っている問題ですよね。
でも老後に足りない資金が2000万円というのは平均的な収入と平均的な支出の家計の話。
その平均家計の世帯の90%以上は持ち家なので、賃貸の場合の不足額はもっと多くなりそうです。
そこで今回は賃貸の場合の老後資金の必要額について見ていくことにしましょう。
老後2000万円問題はあくまで平均家計かつ持ち家世帯の話
冒頭で述べたように、老後2000万円問題の「2000万円」は平均的な収入と平均的な支出のデータを持ってきて、老後の30年間で足りない額を合計したもの。
元データ自体は総務省のデータなので信頼性は高いのですが、あくまで「平均」の家計の話なので実際に足りない額とはかけ離れています。
特にデータの出ている高齢無職世帯は90%以上が持ち家世帯。
つまり、家賃が発生していません。(実際データの住居費の支出平均は15,000円程度になっています)
ということは「持ち家より賃貸がいい」という人が増えてきた昨今では、老後資金は2000万円では足りない可能性が高いです。
そこで老後賃貸の場合に足りない老後資金はいくらなのか、もう少ししっかりとシミュレーションしていこうと思います。
老後賃貸の場合は
では老後に賃貸の場合はいくら用意しておけばいいのでしょうか?
総務省のデータから、夫婦高齢者無職世帯の平均の実収入は246,237円。
そのうち税金などを除いた可処分所得(実際に使えるお金)は214,426円。
一方、平均の消費支出は236,696円。
ただし、消費支出のうち住居費が約15,000円になっているので、この部分を修正します。
家賃が85,000円程度だと仮定すると85,000円-15,000円=70,000円なので、実質的な消費支出は236,696円+70,000円=306,696円。
可処分所得から実質的な消費支出を引いた残りは214,426円-306,696円=▲92,270円。
賃貸の場合の毎月の不足額
可処分所得-実質的な消費支出=▲92,270円
つまり、毎月92,270円不足するということです。
1年だと92,270円×12か月=1,107,240円で、年間不足額は約111万円ということになります。
65歳以降、これが30年間続きますから、111万円×30年間=3,330万円。
賃貸の場合に老後不足する額
毎月の不足額×12か月×30年間=約3,330万円
結果、賃貸の場合に老後足りない額は3,330万円となりました。
老後2,000万円では足りず、3,330万円も用意する必要があるという結果に!
老後に安心して暮らすには賃貸の場合3,330万円必要ということです。
ゆとりある暮らしをしたいなら
さらに、老後にゆとりある暮らしをしたい場合は毎月約6万円をプラスする必要がある、というアンケート結果が出ていますので、その場合をシミュレーションしてみましょう。
毎月6万円の資金を30年にわたってプラスするということなのでプラスする金額は6万円×12か月×30年間=2,160万円になります。
ゆとりある暮らしをしたい場合にプラスで用意すべき資金
6万円×12か月×30年間=2,160万円
それではこの2,160万円を先ほどの3,330万円に足して老後に必要な額を出しましょう。
3,330万円+2,160万円=5,490万円。
ゆとりある暮らしをしたい場合に老後用意すべき資金
3,330万円+2,160万円=5,490万円→約5,500万円
結果、賃貸で老後ゆとりある暮らしをしたい場合、約5,500万円もの大金が必要と出ました。
ちょっと厳しい数字ですね。
みなさんはどう感じられましたか?
安心して老後を送るために今からできること
3,330万円とか5,500万円不足するので用意しておこう、と言われても正直ちょっと困っちゃいますよね。
では安心して老後を送ることはできないのでしょうか?
実は安心して老後を送るために今からできることがふたつあります。
ひとつ目は老後資金を貯め始めること、ふたつ目は生活コストを下げることです。
貯金をするのはすぐに思いつくかもしれませんが、ふたつ目の「生活コストを下げるってどういうことかな?」という人もいらっしゃるかもしれません。
ここではかんたんに説明しますが、生活コストを下げるというのは生活費を見直してスリム化し、生活費を下げるということです。
生活費が下がるということは、毎月の支出が減るということなので、実質的に家計で足りない額が減り、結果老後に用意すべき資金が減るということです。
くわしくは「【完全ノーリスク】老後2000万問題をあっという間に解消する裏ワザ!」を見てみてくださいね!
総務省のデータ
最後に今回引用したデータの出典を紹介しておきます。
引用したのは総務省の家計報告書のデータです。
特に「表1 二人以上の世帯のうち65歳以上の無職世帯の家計収支 -2022年-」を参考にしました。
https://www.stat.go.jp/data/kakei/sokuhou/tsuki/pdf/fies_gaikyo2022.pdf
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