「稼いでも稼いでも家計にゆとりが感じられない」というのはよく聞きます。
収入が増えたら普通は生活にゆとりが生まれそうですが、なぜゆとりを感じられないのでしょうか?
ゆとりを感じるためにできることは何かないでしょうか?
今回の記事では、収入が増えても家計にゆとりを感じられない理由を分析し、ゆとりを感じるためにできることを考察していきたいと思います。
収入が増えても家計にゆとりが感じられないのは「自分の意思に基づかない支出」の割合が高くなるから
先に結論を言いますね。
稼いでも稼いでも家計にゆとりがないのは、稼ぐ金額が多くなればなるほど「自分の意思に基づかない支出」の割合が高くなりがちだからです。
「自分の意思に基づかない支出」という言葉は「公私混合 経営マニュアル」(海生 裕明)に出ている言葉で、文字通りの意味です。(のちほど具体例をあげます)
なぜ「自分の意思に基づかない支出」の割合が増えるとゆとりが感じられなくなるの?
当たり前の話ですが、自分の意思に反した、したくもない支出が増えている状態というのは満足度が下がります。
手取り年収が500万円から800万円に増加した場合で考えてみましょう。
年収500万のとき、350万円は自分の意思で使い、残りの150万は自分の意思で使っていませんでした。
このとき「自分の意思に基づかない支出」の割合は3割です。
そして年収が800万になったころに400万を自分の意思で使い、残り400万を自分の意思に反して使います。
このとき「自分の意思に基づかない支出」の割合は5割になります。
年収500万の時・・・意思に基づかない支出:3割
年収800万の時・・・意思に基づかない支出:5割
この例でいくと、年収500万の時より、年収800万の時の方が「自分の意思に基づかない支出」の割合が高く、結果一般的に家計にゆとりを感じにくくなります。
「自分の意思に基づかない支出」の割合が多いということは、自分の意思に反して、支出したくない支払いが増加していることを意味しますから、満足度が下がり、ゆとりを感じにくくなるということですね。
これが「稼いでも稼いでも家計にゆとりが感じられない」原因、ということです。
家計にゆとりを感じるために大切なのは年収の高さではなく、”年収に占める「自分の意思に基づかない支出」の割合を下げる”ことだったのです。
「自分の意思に基づかない支出」の具体例
ここで、念のため「自分の意思に基づかない支出」の具体例を見ておきましょう。
「自分の意思に基づかない支出」には以下のようなものがあります。(両学長の動画をもとに分類)
自分の意思に基づかない支出
①配偶者が管理するお金
②本当はやめたいのにやめられない支払い
③やめた方が良いと分かっていてもやめられない支払い
④意思決定から時間の経った支払い
⑤惰性で支払っているお金
①配偶者が管理するお金は、多くの場合「自分の意思に基づかない支出」になっています。
もちろん、配偶者のお金の管理に満足していて任せている場合は「自分の意思に基づく支出」になりえます。
一方で配偶者のお金使い方に不満があり、見直してほしいと思っている場合などは自分の意思に反していますから「自分の意思に基づかない支出」になりますよね。
②本当はやめたいのにやめられない支出というのは、たとえば見栄や世間体を気にしてかける費用などです。
「本当はこんなに高い洋服買いたいわけじゃないけど、友達と会うときそれなりに高い服じゃないと浮くからなぁ」とか「こんなに高い車を持たなくていいんだけど、ご近所がみな高級車乗っているからうちも高級車にしておこう」とかですね。
③やめた方が良いと分かっていてもやめられない支払いは、酒やたばこ、ギャンブルにかかる費用などがあげられます。
④意思決定から時間の経った支払いにあてはまりやすいのは住宅費や車代などです。
住宅や車をローンで支払った場合、購入当初はテンションもあがっていて「いい買い物をした!」と思っているでしょうから「自分の意思に基づく支出」だったはずです。
でも時がたち、気づけば重くのしかかる住宅ローンの支払いや「クルマ、そろそろ買い替えたいな」と思っているときの自動車ローンの支払いはあきらかに「自分の意思に基づかない支出」になっていますよね。
⑤惰性で支払っているお金、これにはなんとなく惰性で継続して支払ってしまうものが当てはまります。この支出が自分の”意思”に基づいた支出ではなく、満足度低いのはおわかりいただけると思います。
ゆとりを感じるためにできることは?
収入が上がったのに家計にゆとりを感じられないのは悲しいですよね。
なのでここからは収入が上がっていくにつれゆとりを感じるためにできることを見ていきます。
「自分の意思に基づかない支出」がないかチェック
初めにご紹介した本の著者、海生裕明さんによると「自分の意思に基づかない支出の割合は、3割以下でなければ幸せを感じられない」のだそうです。
なので自分の支出を分析し、「自分の意思に基づかない支出」を3割以下におさえる努力をしましょう。
そのための準備として、自分の支出を把握し、「自分の意思に基づかない支出」の具体例であげた5つの分類に当てはまらないかをチェックします。
例えば、むかし申し込んだサブスクの料金。
長い間使わずにそのまま放置していたのならそれは④意思決定から時間の経った支払いであり、⑤惰性で支払っているお金でもありますね。
そして「自分の意思に基づかない支出」に当てはまったものはどんどんやめていくようにします。
こうして「自分の意思に基づかない支出」を3割以下におさえるようにしていきましょう。
高額なローンは組まない(組むときは慎重に)
ところで、すでに組んでしまった家のローンなどはかんたんにはやめられませんよね?
なので最初からこういった高額なローンなどは組まない方が賢明です。
また、どうしてもローンを組む際はくれぐれも慎重になることを肝に銘じてください。
収入が増えてもむやみに支出を増やさない
収入が増えると、どうしても支出を増やしがちですよね。
これは「収入アップしたんだからこれくらい高いもの買ってもいいよね?」という気持ちになりやすいからです。
もちろん、それが満足度が高いなら基本的にはOKの支出のはずです。
ただし、将来「自分の意思に基づかない支出」に当てはまることになりそうな支出は極力さけるようにしましょう。
特にいったん生活コストを上げてしまうと、将来「こんなに生活費かけてるの馬鹿らしいな」と思ってもなかなか生活水準を下げるのはむずかしいので生活コストをむやみに上げないよう注意しましょう。
この点については「年収1000万でも苦しい【恐怖】高所得貧乏が倍増!」の記事が参考になるかもしれませんのでぜひ見てみてくださいね!
ゆとりを感じるためにできること(まとめ)
ここで「ゆとりを感じるためにできること」3つをまとめてみますね。
ゆとりを感じるためにできること
1.自分の支出を把握し、「自分の意思に基づかない支出」ではないかチェックする
2.高額なローンは組まない(組むときは慎重に)
3.収入が増えてもむやみに支出を増やさない
以上3点を意識して実践することで生活の満足度は格段に上がり、家計にゆとりを感じやすくなります。
老後のゆとりにもつながりますのでぜひ実践していきましょう!
参考資料
今回の記事は以下の参考書籍とYoutube動画を題材に私が独断と偏見で作成しました。
参考書籍はこちら。
参考Youtube動画はこちら。
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