金融広報中央委員会の運営するサイト「知るぽると」の「家計の金融行動に関する世論調査」から興味深いデータを発見!
それは収入が少ない世帯ほど生活設計を立てておらず、収入が多い家計はしっかり生活設計を立てている、というデータです。
生活設計というのは、平たく言えば家計管理。
高収入世帯ほどしっかり家計管理している実態が見えてきましたよ~!
データ引用元紹介
今回の話のもとになっているのは「家計の金融行動に関する世論調査」の中の[二人以上世帯調査](令和4年)です。
このデータのうち、「生活設計策定の有無」の部分の収入別の欄がとても興味深いのです。
データを見やすくまとめました
元データを見るのはめんどうだと思いますので、私の方で「収入別生活設計策定の有無」についてかんたんにまとめました。
少しは見やすくなっているかと思いますので、これをもとに今日の話を聞いてみてくださいね!
生活設計策定の有無=家計管理をしているかどうか
データのもとになったアンケートを実施している金融広報中央委員会はお堅い団体なので、どうしても難しい言葉を使いがち。
「生活設計策定の有無」って、かんたんに言ってしまえば「家計管理をしているかどうか」ですよね!(厳密にはちがいますけど、そのあたりはご容赦を!)
その家計管理をしているかどうかのアンケート結果を収入別に見てみると収入によって顕著な傾向がありました。
それでは、今回のデータをもとに次から話を進めていきましょう!
収入はないという世帯が家計管理していないのはなぜ?
まずは「収入はない」という世帯の家計管理状況を見ていきます。
この収入ゼロ世帯では21.8%しか家計管理していないようです。
収入がない世帯ほどしっかり家計管理しないと生活が危ない感じがするのですが、なぜか家計管理をしている割合が低いです。
これって「もしかすると、このゾーンの人たちはすごい資産家で収入はゼロだけど生活はめちゃくちゃ余裕があるから家計管理していないのかな?」と一瞬思いましたが、それって収入ゼロとは言わないですよね…。
収入ゼロ世帯ってどんな世帯なんでしょうか?
元データでは収入ゼロ世帯が9.5%もあるんですよね。
そのあたりのナゾについてわかる方いらっしゃったら、ぜひ教えていただけないでしょうか?
年収300万円未満の世帯では約7割が家計管理をしていない
収入ゼロ世帯のことはナゾが多くてあまり参考にならないので、年収300万未満世帯(収入ゼロ世帯は除かれています)を見ていきましょう。
まず、年収300万未満世帯では27.8%が家計管理をしていて、41.7%が家計管理していないけれど今後するつもり、30.5%が家計管理をしておらず今後もするつもりはない、ということのようです。
今後は家計管理をするつもりの世帯と今後も家計管理しないつもりの世帯、どちらも現段階では家計管理していませんから、両方あわせて72.2%が今は家計管理をしていないということです。
7割以上が家計管理していないというのは、かなり低い割合に感じます。
そして、家計管理をしているのは27.8%。
たった3割弱しか家計管理していません。
国税庁「令和3年分民間給与実態統計調査」によると、2021年の1年を通して働いた日本人の平均年収は443万円なので、収入が300万円未満ということは平均より少ないということですね。
収入が平均より少ないのですから、生活が苦しいことも考えられます。
なのに家計管理もロクにしていないなんて、ちょっと危機意識が低すぎる気がします。
まさに「その日暮らし」な感じがしてしまいますね…。
年収1,200万円以上では56.3%の世帯が家計管理している
一方、今回のデータの中で一番収入が多い収入1,200万円以上の世帯ではどうでしょうか?
1,200万円以上の世帯では56.3%が家計管理をしていて、27.4%が家計管理していないけれど今後するつもり、16.2%が家計管理をしておらず今後もするつもりはない、とのこと。
家計管理をしている世帯が半分以上ありますね!
年収が多い世帯ほど家計管理をしている
こうやって見てくると、年収300万円未満の世帯と年収1,200万円以上の世帯では、家計管理をしている割合に2倍以上の開きがあります。
また、年収が高くなればなるほど、家計管理をしている割合も高くなっていってます。
「年収が多い世帯ほど家計管理をしっかりしている」ということは間違いなく言えるかもしれませんね。
家計管理をしっかりすれば年収がアップするかも!?
今回のデータからわかることは「年収が多い世帯ほど家計管理をしっかりしている」ということですが、裏を返せば「家計管理をしっかりすれば年収がアップする」とも言えるかもしれません。
「イヤイヤ、そんな強引な解釈はありえないでしょ?」という声も聞こえてきそうですが、強引な解釈とも言い切れないところがあります。
そもそも、「家計管理をしっかりしている」ということは金融リテラシーが高い可能性がありますよね。
金融リテラシーが高いというのは、お金のことについてしっかり考えて勉強しているということです。
そういう勉強熱心な人はどんどん知識が増えて頭が良くなっていきますから、高収入な仕事ができる割合も一般的に高くなっていきます。(「頭を使う仕事の方が高収入」という、あくまで一般論の話です)
ということは家計管理をしっかりできる金融リテラシーの高い人は高収入になる可能性が高いと考えてもいいのではないでしょうか?
単純に「家計管理する→高収入になる」は言えないにしても、「家計管理をすることで高収入になれる可能性が高まる」くらいは言えるのかもしれないということですね!
家計管理をしっかりすれば資産は増える
今回の記事に関連して、間違いなく言えるのは「家計管理をしっかりすれば資産は増える」ということです。
この件についてはまた別の機会に記事にしようかと思いますが、ここでかんたんに言うなら、家計管理をすればムダ使いが減りその分貯金できて資産が増えていくというのは当然ですよね!
参考)単身世帯の場合
参考までに単身世帯の場合も表にしてみました。
単身世帯の場合、1,200万円以上の世帯では実に73.3%がしっかり家計管理をしているようです。
ただ、単身世帯の場合、収入が増えるほど家計管理をしているという傾向はある程度見られるものの、2人以上世帯の場合ほどハッキリした傾向は見られませんでした。
単身世帯のアンケート回答数が2,500で2人以上のアンケート回答数が5,000なので、単身世帯の回答数が2人以上世帯の半分しかなく、誤差が大きかったのかもしれませんね。(アンケート結果のデータは回答数が多いほど誤差が減ってきますので…)
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